I LOVE Engilsh
ハロ~! I LOVE Engilsh~!
私は今日もいつものように介護施設に出勤した。居間に座ってテレビを見ていた雅子さんが私を見て挨拶をするんだ。
- 「ハロー」
マサコさんは英語が好きだ。マサコさんは英語で挨拶するのと、英語で答えるのが好きだ。マサコさんがよく使う英単語は5つだ。
- ハロ~
- イエス~
- サンキュー
- ノー
- オッケー
このように5つの単語ですべての対話が可能だ。
ハローマサコさんが私に挨拶をするんだ。
- 「ハロー」
- 「おはようマサコさん、今日は元気ですか?」
- 「イエス」
- 「よかったですね。朝食は食べましたか?」
- 「イエス」
- 「お茶を一杯お持ちしましょうか?」
- 「オッケー」
- 「お茶を持ってきました。 テーブルの上に置きますね。」
- 「オッケー、サンキュー」
- 「他に必要なものはありますか?」
- 「ノー」
- 「では、また何か必要なものがありましたら、私を呼んでくださいね。」
- 「オッケー、サンキュー」
このようにすべての返事を英語でされる。十分、対話が可能だ。これはすごいです。外国人スタッフは日本語で尋ね、日本人のおばあさんは英語で答える。二つの言語で会話をしているが、両方とも会話が理解できる。バイリンガル介護施設である。
マサコさんは、私たちの介護施設を利用している98歳のおばあさんだ。お年寄りですが、とても元気です。そして本人の考えを明確に表現するおばあさんだ。すごい。
ほぼ100年前に生まれた方なのに、英語を使うのが本当に素敵だと思った。子供が外国語を流暢に話すのも素敵ですが、老人が外国語を流暢に話すのも本当に素敵だと思うんだ。
ある日、私はマサコさんに尋ねた。「英語はどこで習いましたか?」 と聞いた。そしたら、
- 「英語を習ったことはない]」とおっしゃった。
- 「では、どうやって英語が好きになり、どうやって上手になりましたか?」と尋ねた。
マサコさんは、
- 「私が若い頃、アメリカに行ったことがある。」
- 「スゴイ。若い頃、アメリカに住んでたんですか?」
- 「そうじゃなくて、旅行に行ってきたよ。
- 「すごいですね。 アメリカによく旅行に行きましたか?」
- 「一回、行ってきた」
- 「一回ですか?一回行ってきたのに、 英語がこんなにお上手なんですか?]
- 「モチロン。その時の旅行は本当に楽しかった。 あなたはアメリカに行ったことある?」
- 私はアメリカに行ったことがないです。 飛行機のチケット代が高すぎて今まで行けなかったんです。今でもアメリカに行くのは簡単なことではないのに、昔、行かれたなんて、本当にすごいですね。」
- 「若い頃結婚した時、主人が私をアメリカに連れて行ってくれたよ。」
- 「すごいですね。 素敵な夫でしたね。」
たしかにそうだ。今でも、アメリカに旅行に行くのは簡単なことではない。おそらく70~80年代には、アメリカに旅行に行くのがもっと難しかったのだろう。すごいな〜と思った。
マサコさんにはアメリカ旅行が、多分、人生で最高の思い出の一つとして覚えているようだ。その楽しかった旅行を毎日思い出しながら、英語を使っているかも。
今も英語を使いながら、その時代に戻って楽しい気持ちを感じているようだ。マサコさんはたぶん、本人の人生の最後の日まで、夫と一緒に、アメリカ旅行の思い出を大切にしながら生きていくことになるかもしれない。美しい思い出だ。
ある朝、私が介護施設に出勤するとき、マサコさんが居間でテレビを見ていた。いつものように、私を見ながら英語で挨拶をしてくれた。
- 「ハロー」
私は日本語の挨拶をしようかと思っていたが、英語で挨拶したらマサコさんが喜ぶかな? 思いながら、英語であいさつをしてみた。
- 「hello, how are you?」
と英語でマサコさんにあいさつをして見た。そしたら、瞬間、マサコさんは3秒間の沈黙していた。その後、大声で私に答えが返ってきた。
- 「なに???あなた、何、言っと〜?」
素敵に英語で挨拶をしたマサコおばあさんが、いきなり、関西弁を使う日本の田舎のおばあさんに帰ってしまった。この反応はダメだ。マサコさんの美しいアメリカの思い出を傷つけてはいけましん。
私はマサコさんに対しての英語での挨拶を直した。
- 「ハローマサコさん〜今日はお元気ですか」